クリスマス前のスイカ割り?
退屈ロケットの速度に全く机上旅行が追いついていないのですが、まあ向こうはロケットですからそれも当たり前ということで、本日は番外編でメキシコです。
※退屈ロケットとは世界一周をしながらBiotope Journal というサイトを更新している愉快で怪しい2人組です。詳しくはこちら→ http://www.biotopejournal.com/
*『クリスマスまであと九日-セシのポサダの日』
クリスマスまであと一日という点には目をつぶっていただいて、今日紹介する絵本はメキシコのクリスマスの話です。
メキシコではクリスマスの九日前から前日までポサダという祭が行われます。この祭は、キリストを身ごもったマリアがヨセフ(ホセ)と宿(posada)を求めてさ迷い歩いた故事にちなんでいます。メキシコの子ども達はポサダをとても楽しみにしています。なぜなら、ポサダではピニャータ割りという日本でいうところのスイカ割りのようなイベントがあるからです。ピニャータは粘土でできた壷を紙で飾ったものなのですが、中にはオレンジ、レモン、ピーナツやキャンデーなどが詰まっています。ポサダの日、子ども達は目隠しをしてピニャータを探しては棒で叩き、割れた後に地面に落ちた果物やお菓子を皆で拾って帰ります。24日まで毎日毎日違う家で行われるのだからなんとも一大イベントですね。
さて、物語に戻ります。幼稚園に通う女の子セシは今年初めて自分のポサダをしてもらえることになりました。ピニャータ割りを自分の家でできるのです。セシはおかあさんと一緒に自分のピニャータを選びにマーケットへ行きました。じつにたくさんのピニャータが並んでいます。大きさもいろいろなら形もいろいろ、フクロウにゾウ、ヒツジまでいるのです。ピニャータ達は小さな女の子の初めてのポサダに自分を選んでもらいたくてがやがやと騒ぎ出すのですが、セシが選んだのは、なにも言わずきらきら光り続けていた大きな金色の星のピニャータでした。
クリスマスまであと九日となり、セシのポサダが始まりました。 ピニャータを割ろうとはりきる子ども達の中でセシは1人浮かない顔をしています。「みんなに あたしの ピニャタを わらせないで!」 セシの初めてのポサダはどうなってしまうのでしょうか。
絵をよく見ると、花売りのお姉さんが歩いていたり、パンが入ったかごを頭に載せたおじさんが自転車で走っていたり、端々までメキシコがぎゅっと詰まっています。私もいつかクリスマス前のメキシコを訪ねて色とりどりのピニャータがぶらさがるマーケットを歩いてみたいです。
- 作者: アウロラ・ラバスティダ,マリー・ホール・エッツ,たなべいすず
- 出版社/メーカー: 冨山房
- 発売日: 1974/12/05
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*おまけのはなし
今回はメキシコの話も是非!との友人からのリクエストに応えて書きました。メキシコ旅行にいったのは知っていたのですが、ネットショップを開くほど好きだったとは!メキシコの色と光とかわいいものたちに魅せられた彼女のお店はこちらです。セシがピニャタを買いに行った市場の場面から飛び出したような雑貨もありますよ。ピニャータも販売してくれないかなあ。
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